CBR400RR 1987 / CBR400RR 1988

CBR400RR 1987

  エアロフォルムのCBR400Rが不遇をかこったことから、スタイリングやエンジン性 格を大変更、完全なレプリカイメージにフルモデルチェンジされた。バルブ直押し方式や バルブ挟み角の変更、ポートの形状変更などでポテンシャルアップしたエンジンは、高回 転域でのパワーと伸びが思う存分堪能できる性格になっている。ねじり剛性が大幅に向上 したフレームと新型スイングアームのトライアーム、アルミサイレンサー、水冷式オイル クーラー、フットワーク重視のサスセッティングなどで、CBR400Rの美点であった乗 りやすさをそのまま保ちながら、戦闘能力を大きく向上させている。 


CBR400RR 1988 

  過激さを増す400cc クラスにあって、フォルムのレーサー然とした印象とは異なり、意外なほどに市街地での扱い易さを追求されていたモデルだった。CBR400R に求められたパフォーマンスfor パーソンの基本概念を継承して、CBR400RRにも操縦性をシビアな方向に傾向させていくことなく、よりハイパフォーマンスに仕上げている。V4に与えたレーサーとしてのコンセプトとは異なった方向性をインライン4 に与え、未来を見据えた上でのモーターサイクルの革新を図ったホンダが、敢えてインライン4 にもレプリカ化を図らざるを終えなかったのは、4 サイクルブランドとしてのメーカーの面子と、インライン4 を伝統とするスーパースポーツモデルの伝承への拘りでもあった。CBR400R のコンセプトを改めて見直した上で、V4に勝るインライン4の特性を引き出そうとした意図は、図らずも成功したものと言える結果となった。 パワーユニットを従来型(ロッカーアーム方式)としながらも、バルブを直押しに変更。バルブの挟み角(38 °→35°) 、インテークポートの形状変更も図り、ユニット自体のコンパクト化と出力特性に効果を与えている。パワーユニットのコンパクト化を更に生かし、マウントの位置を上げマシンコントロールに寄与させる等、万全の構えを見せている。出力面では、CBR400R に較べトップエンドを1000rpm 程アップさせ、15000rpm付近に繰上げている。出力面ばかりではなく、車体は略全面に渡り改良を施し、従来型のR とは異なった形態を持っている。フレーム、スイングアーム(トライアーム)は捩じり剛性を大幅にアップ。ホイルベースは10mmの短縮。キャスターは3/4 度立てられ、スイングアームの垂れ角も(7°→9 °) 変更されている。CBR400R と較べ旋回性はかなり向上している。従来のフロントを中心としたマシン自体に図られていた安定感とは異なり、アクセルワークと体重移動によるライダー側の積極的なコントロールを求めると言った方向性が与えられている。但し、シビアになり過ぎると言ったものではなく、ライダーの性格や技量の差にも対応する自由度の高いものだ。マフラーは4 サイクル車初のアルミサイレンサー。水冷式のオイルクラーも装備されている。 


  

風倶楽部

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