KAWASAKI Z1000Mk-II/1000ST 1979

KAWASAKI Z1000Mk-II/1000ST 1979

 Z1の優雅なフォルムが消え、新しい時代が創造されようとしていた。Z1R(1978y)の影響をストレ−トに表現したMk-IIのフォルムは、Z1300とも気脈を通じ合うものと言える。Z1300 がホンダCBXをライバルとするなら、Z1000の当面のライバルはCB900F(1978y) だった。DOHC-4バルブの新機構に対して、Z 系は旧態然とした2バルブを通していた。233kgのCBに対し、245kgのMk-IIの重量ハンデも、マシンの印象を異なったものとしていた。ス−パ−スポ−ツ性を重視したCBに対し、Zはハイスピ−ドツアラ−を目指していた。それをより確かなものとしているのがZ1000STの存在である。更に重量を増した255kg。シャフトドライブを採用した走りは、明らかにツアラ−としてのモデルの存在をアピ−ルしたものだった。ビッグバイクに求められる方向性を、カワサキはこの時点で掴みかけていたのだ。CB900Fの出力7.75kg-m/8000rpmに対し、Z1000は9.1kg-m/6500rpm の最大トルク値で明らかな違いを見せる。最大出力では僅か2ps 上回るZ1000 。最高速やゼロヨン加速では、僅かばかり上回るCB900Fを、カワサキは誰にでも扱える出力特性を図って、新たな方向性を示唆し始めていたのだ。

風倶楽部

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