KAWASAKI FX400R/GPZ400R 1985

KAWASAKIFX400R 1985

 空冷最強といわれたZ400 FX(1979y.4〜 1982y.12) の後を受けて、発表されたネイキッドスポーツモデル。パワーユニットそのものはGPZ400 Rと共通としながらも、フレームは600 Rと同様のスチール製ダブルクレードル。マフラーは対照的に4into1の集合を採用してスポーツ性を強調している。メーターと角型ライトを支持するステーは、前輪の荷重を考慮してアルミ製としてフレームにマウント。ハンドリングそのものには軽快性を失うことのないよう設定が図られている。GPZ−Rと同様のギア比を持つ6速ミッション、タイヤの設定も同じくしているために、実用上の違いは感じられない。しかし、ハンドリングに関してはGPZ−Rを上回るスポーツ性が印象として残る。キャスター角はGPZ−Rの26°に対し25.5°。トレールは86→83mmと設定を変更。ホイルベースもGPZ−Rの1430→1425mmと縮小し、シャープな旋回性が与えられている。フロントにはAVDS内蔵のイコライズドエア・フォーク。リアにはボトムリンク式のユニ・トラックサスペンションと、サスペンション&ブレーキ系共にGPZ−Rと共通のパーツが装備されている。FXの再来を期待されはしたが、「Z」の呼称を失ったFX400 Rは、1989年 5月を最終モデルとして、再び甦ることはなかった。


KAWASAKIGPZ400R1985

 発売と同時にベストセラーモデルとなった 400ニンジャ。ライバルとなったホンダCBR400 FやヤマハFZ400 R、スズキGSX−Rを抜き、Z400 FX以来のカワサキ人気を煽った。スタイリングはどちらかと言えばオーソドックスなまとまりを見せるもので、決して奇抜なものではない。唯一特徴的な部分と言えるのはAL−X(AL−Cross)フレームで、アルミ製の角型断面のXメンバーで形成された高剛性フレームだ。レプリカモデルの様な徹底した軽量化を施すのではなく、どちらかと言えばグラマラスでユッタリとしたポジションのモデルに仕上げている。が、かと言って鈍重な印象ではなく、Cd A値0. 29以下というエアロフォルムに見られるように、ダイナミックでありながら実益を求めたスタイリングを完成させている。分割式のライダーズシートを外すと、工具や小物入れ用にツールボックスを設ける等の小業も効かせている。パワーユニットは、新設計の水冷DOHC 4バルブ並列4気筒。シリンダーライナーをダイレクトに冷却するカワサキ独自の冷却システムを与え、連続した高回転の使用にも安定した動力性能を発揮してくれる。キャブレターは、京浜製フラットバルブのCVK30×4が装備。中速域での力強さと、高回転域でのスムーズさが両立されている。決してレプリカ的な感覚のシビアさがなく、誰にでもコントロールし易いセッティングは大いに評価出来る。足回りは、フロントにブレーキ連動型で3段階に調整可能なアンチダイブ機構を装備したエアアシストタイプのテレスコピック。リアには、伸び側ダンパー 4段、圧側無段階調整可能のエアアシスト付きボトムリンクタイプのユニトラック・サスペンションが装備されている。操縦性に関しては、8,000rpmを越える辺りからパンチ力を増し、14,000rpmのリミッター作動時まで一気に加速するパワーユニットの素晴らしさと共に、高速安定性は抜群に良い。反面、低速コーナーでは立ちの強さが印象となり、峠を速く走りたいがためには、積極的な体重移動に心掛けなくてはならない。ライバルモデル達が一気にレプリカ指向を強めていく中で、カワサキの独立独歩の姿勢は、やはりカワサキユーザーの満足度を高めてくれるものらしい。そんな印象を強く感じさせてくれるモデルだった。

風倶楽部

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