KAWASAKI AR125S/GPZ400S 1986

KAWASAKI AR125 S 1986

 初デビューが1983年、1984年にはアンダーカウルを装備。この年にはフルカウルとなってデビューしている。カウリング自体は、ハンドルマウントのアッパーカウルに、フレームマウントのアンダーカウルというように、セパレートで対応。サーキットユースを考慮した造りではなかった。パワーユニット自体、数値上ではクラス最強のレベルにもありながら、低・中速域の出力特性を向上させ、扱い易さを強調している。一般の峠では、ヤマハRZ125 にも勝る特性を得ていながら、サーキットでは高回転域でのパンチ力に今ひとつインパクトが得られなかった。レーシーな印象が身上の 2サイクル125cc クラスにあっては、やや不利な設定ともなってしまった。だが、市街地におけるARにとっては、水を得た魚のように元気良く走り回る印象がある。ロータリーバルブとリードバルブを併用したRRIS(ロータリー&リードバルブ・インテーク・システム)のパワーユニットは、大いにその威力を実感させてくれる。従来モデルに欠いていた高回転時にパンチ力を増強させるため、マフラーをチャンバータイプに変更。低速域でのトルクアップも果たし、実戦的なレベルにも高まった。が、サーキットを圧巻するRZ群に対しては、レーシングパーツの開発準備もなく、支持を高めるまでには至らなかった。1988年モデルを最期に、改良が行われることもなく、'91 カタログから姿を消している。


KAWASAKI GPZ400 S1986

 マルチスポーツ全盛時に敢えて挑戦を果たしたDOHC 4バルブ 2気筒の“ハーフ・ニンジャ”。GPZ750 Rのボア(70mm)を共通とし、ストロークアップ(48.6 →51.8mm) を図り、このクラスの 2気筒モデルとしては最強の出力を得ている。スズキが後に開発するGS400 E(39ps/9,500rpm) を遙に上回るものだった。輸出向けに開発されたGPZ500Sと共通の車体は、スチール製角型断面のダブルクレードルフレーム。タイヤは前後に16インチを設定し、スポーツライクな運動性を与えている。パワーユニットは、GPZシリーズ共通の高効率の冷却を誇るウエットライナーを採用。センタープラグ方式、フラットバルブキャブレター装備と最新の構成を図っている。サスペンションは、フロントにエア併用式を、リアにはプログレッシブ効果の高いボトムリンク式ユニ・トラックサスペンション。ブレーキは、フロントに異径デュアルピストンを持つBAC(バランスド・アクチュエーション・キャリパー)を、リアはドラムの装備となる。実益を重視するヨーロッパでは好評を博して支持を高めていく。が、国内での需要は、このモデルの本質を理解するでもなく、レーサー指向へと傾斜していく。'88 モデルでカラーリングの変更を受けるも、それを最期に生産は停止された。

風倶楽部

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