KAWASAKI ZX−10 1988

KAWASAKI ZX−10 1988

 ボア&ストロークをGPZ1000RX(1986 y) と共通(74 ×58mm) としたパワーユニットを持ち、各軽量パーツでパワーアップを果たした'88年最強・最速のマシン。RXの12 5ps/9,500rpm→137ps/10,000rpmに高められたパワーは、最高速度270km/h以上、0 →40 0mを10秒5というとてつもないパフォーマンスを示した。エンジン単体重量で6kgの軽減、RXよりも4.5kg軽い15. 5kgの“e−BOX FRAME“の採用もあり、乾燥重量でRXの238kgに対し222kgと大幅な減量が果たされている。カウルそのものはひじょうにRXともよく似たエアインテーク形状を配している。が、エアロダイナミックスの効果が高められ、7 %の向上が図られている。全体的に大柄な印象も、RXのホイルベース1505→1490mmと短縮させ、全長2230→2170mm、全幅725 →715 、全高では逆に1215→1240mmに高められるも、全体的にコンパクトな仕上がりを見せている。タイヤの設定がRXの前後 16インチとは異なり、前17/後18インチに変更。高速ツアラーとして安定性に振ったものと思われる。しかし、実際のところ、このモデルのパフォーマンスをフルに引出し切るには、国内の環境で決してあり得る訳もなく、一瞬の加速状態の中で瞬時にその快感を味わう他ない。

風倶楽部

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