KAWASAKI ZEPHYR 1989

KAWASAKI ZEPHYR 1989

 ネイキッド旋風の旗頭となった初期モデル。レプリカ全盛時だった1989年、突如として市場を賑わしたモデルだった。カワサキとしては、ZXRシリーズをフルラインナップしてレプリカに真っ向から挑戦しようとする時期だっただけに、ユーザーにとっては未だ疑い深い印象にあったに違いない。それほどに気をひかれたことも事実だった。空冷DOHCの2バルブのパワーユニットは、250ccクラスのレプリカ並の出力でしかなかったし、マスコミがいくらZ400 FX(1978y.3) の再来とはしゃいだところで、既に10年を経過したモデルに、多くのユーザーを刺激するほどの神通力が存在しているとも思えなかった。様々に思うところはあったにしろ、「ゼファ-」がこれほどまでにヒットしたモデルであったことは認めざるを得ない。どこからでも出力が沸き上がってくるようなパワーフィ-リングは、レプリカに慣らされた若者たちにとっては、逆に感動的でもあったか。自在なポジションに、自分なりの自由度とマシンを操る喜びを知り得たのかも知れない。フロントにデュアルで配した大径φ300mmのフローティングディスク+異径4ポットキャリパーやアルミ角形押出材の高剛性スイングアーム、4into1のマフラー、標準装備のオイルクーラー等、ユーザーのハートをくすぐるアイテムにも配慮は行き届いていた。これからも、何度でも再確認したい味わい深いモデルだ。

風倶楽部

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