CB125 S / CB90 1970

CB125 S 1970

 1970年 9月には突然、従来の2 気筒エンジンのCB125 とは別に、OHC単気筒エンジンを搭載したベンリイCB125 Sがデビューした。新たに開発された単気筒エンジン( ボア×ストローク=56mm×49.5mm) の最高出力は12ps/9000 rpm と、従来の2 気筒エンジンより3 馬力ほど出力が低下していた。だが、逆に車重に関しては、2 気筒モデルの112kgから88kgに軽量化されていたため、小振りな車体を活かした走行性能はCB125 Sの方が優る結果となった。また、CB125 Sでは、いかにも4ストローク単気筒らしい、独特な走行フィーリングが楽しめた。

 CB125 Sはその後、ディスクブレーキを装備したCB125 JX( 注:2気筒版にも同名のモデルがある)に発展、2気筒エンジンのCB125 がカタログから消えた後も、ホンダの125 átロードスポーツの孤塁を守ることになった。


CB90 1970

 Tボーンと呼ばれた鋼板プレスフレームに極端な前傾シングルエンジンを搭載したCSシリーズは1964年に登場以来、ホンダの小排気量スポーツとして一時代を画す人気を博してきた。しかし、日進月歩のロードスポーツの世界では、プレスフレームはすでに時代遅れとなりつつあり、カラーリングやデザインの手直し程度の変更では、旧態化は隠せなくなっていた。そこで1970年、ホンダは人気のCBシリーズの名を冠したベンリイCB90(もちろんベンスパとは関係ない) を市場に投入、小排気量ロードスポーツにも本腰を入れることになった。

CB90に新たに採用されたパイプ製フレームは、従来の鋼板プレスフレームに比べて、格段の剛性アップを果たしていた。一方、新開発のロングストローク・タイプの単気筒エンジン( ボア・ストローク:48mm×49.5mm)は、10.5ps/10500rpm の高出力を発生、CB90は85kgの軽量ボディを活かして、2 サイクルのライバル達を圧倒するパフォーマンスを発揮した。CB90の場合、素直な操縦性と、安定した出力特性が強力なアドバンテージとなっていたのだ。小柄な車体に本格的なメカニズムを詰め込んだCB90は、おとなしい外観とは裏腹にプロダクション・レースでも大活躍した。

風倶楽部

バイク全般のヒストリーが中心となります。バイク好きの人たちが気軽に閲覧できるようにオープンな状態を保っていきたいと願っています。アメブロに掲載してきた記事が多くはなりますが、補足を加えていきます。

0コメント

  • 1000 / 1000