CB500 Four 1971

CB500 Four (1971年)

 アメリカ市場を最優先して開発されたCB750 は、驚異的な性能を誇っていたが、いささか大きく重かった。そこで、並列4気筒シリーズの第2弾として、1971年 4月に登場したドリームCB500 Fourでは、バランスと乗り易さが考慮されていた。新たに開発された直立インライン4 エンジン(56mm×50.6mm)は、電気モーターのようにスムーズに回転を上げ、ごく低回転から力強いトクルを発生した。また、CB750 と比較してコンパクトな設計の車体は、日本人でも楽なポジションが決められ、500ccクラスという車格を意識させられることなく取り扱えた。しかし、ひとたび鞭を入れれば、最高出力48ps/9000rpmを誇るCB500 は、最高速が180km/hに達する高性能ロードスポーツでもあった。こうした優れたれた操縦性と滑らかなエンジン特性は、血気盛んな若者よりも、クルマをよく知るベテランに好まれた。そうした意味では、「静かなる男のために」という当時の宣伝コピーは、このロードスポーツの性格をよく表していた。CB500 の持って生まれたバランスのよさは、レースでも発揮された。CB使いの名手として知られる故・隅谷守男選手は、このCB500 を改造したレーサーをこよなく愛し、日本人としては初めて鈴鹿サーキットで2 分30秒の壁を突破した。隅谷選手のCB450 改レーサーの雄姿は、いまでも古くからのCBファンの語り草となっている。

風倶楽部

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