HONDA ホンダRC161 1960

HONDA ホンダRC161 (1960y)

1959年、初のマン島TTレースを走ることのなかった不運のレーサーRC160 を過去に封じ込めて、ホンダは全く新しいマシンの開発を行っていた。初のマン島TTレースを戦った上で、世界レベルの違いを見せつけられたことも事実だった。カムシャフトの駆動方式をベベルギアからギアトレーンへと変更。フラットバルブのキャブレターを採用する等、高出力化への更なる可能性を持ったパワーユニットで、当然の様に1960年のマン島TTレース出場を果たすことを前提としていた。サスペンションに近代化も図られ、スマートな車体で生まれ変わった250cc フォアは、ドゥカティ125 デスモドロミックやMVアグスタ125 ダブルシャフトにも引けをとらない美しさを持っていた。前傾35°、潤滑方式をドライサンプとしたRC161 のパワーユニットは、タペットを中空円柱型とする工夫もあり、細部への拘りも本格的な様相を見せるものとなってきた。最高出力は、RC160 の35ps/14,000rpm→38ps/14,000rpm。最大トルクは、RC160 の2.0kg-m/12,000rpm →2.1kg-m/12,000rpm と出力も向上。ミッションも5 速→6 速に変更。マン島TTでは、ボブ・ブラウンの4 位を筆頭に、5 位に北野 元、6 位に谷口尚巳がそれぞれ入賞。ドイツGPでは3 位、日本人としては日本車で始めての表彰台を田中健二郎がゲット。アルスターGPではトム・フィリスが2 位と、世界に参戦して2 年目にしては十分過ぎる程のアピールを示したと思われるものだった。

風倶楽部

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