CB550K / F-II 1975

CB550K / F-II

 CB400F-I/IIは、誰でも知っている名車。しかし、このCB550F-IIに関してはご存じない方のほうが多い。CB400fourは、固有の名称であり、類似車を含むこと無く存在感を明確な物にしていた。要するに、ベース車両となるものが存在せず、人間で例えるなら…CB400fourのI/IIは一卵性双生児である。しかし、この双子には、更に兄となる二卵性双生児が存在する。

 CB550four-KとCB550four-IIが双子と言え似て非なる物として存在していた。片やCB400fourと類似した洗練された顔立ちを持っていながらも威風堂々とした貫禄。一方は、親でもあるCB750fourの血流を担う古典的な顔立ちを風格として持ち合わせていた。

 代々として引き継いで来たOHC2バルブ並列4気筒にも陰りが見え始めた70年代後半、1978年には突風の如くDOHC4バルブ6気筒の旗艦CBX が登場する。時代はより高度なメカニズムをもった彫りの深い整端な顔立ちを趣として求め始める。だが、実際の所、日本人好みという点で考えるならば、頭でっかちのDOHCよりも小顔で童顔なマスクにもまた一考の趣を見いだすはずである。

 4バルブ化された排気音は、どちらかと言えばテナーサックスであり、2バルブとなるビッグバルブはパンチ力のあるアルトサックスの音感にも似ている。エキゾーストを集合にするとその違いがより明確に表されることになる。

 私の個人的な見解としては、2バルブのビッグバルブの方が好き。ヘッドを外してのタペット調整やら日常の点検が安易に行えて助かる。メカニズムがより高度化されるに従い点検をプロにお願いするはめとなり手を煩わすことが苦手となって結局はバイクいじりから離れてしまう結果ともなった。

 CB550F-IIのパワーユニットをCB400fourに載せて少々自慢げに走った時代もあったが、素人メカの安直な時代は複雑なメカニズムの到来によって閉ざされることになる。


CB550 Four-F-II 1975y

エンジン:空冷 4サイクル・DOHC 4気筒 排気量:544cc ボア&ストローク:58.5×50.6mm 圧縮比:9.0 最高出力:50ps/8,500rpm 最大トルク:4.4kg-m /7,500rpm 点火方式:バッテリー 始動方式:セル、キック クラッチ:湿多 ミッション: 5速(1:2.353 2:1.636 3:1.269 4:1.036 5:0.900 ) 全長:2,115 全幅:835 全高:1,110 軸距:1,405mm 車両重量:206kg タンク容量:14L キャスター:64°トレール:105mm タイヤ:F・3.25−19 R・3.75-18 登坂力:29° 燃費:33km/L 最高速度:180km 価格:39万 8千円

CB550 Four-K 1977y

エンジン:空冷 4サイクル・DOHC 4気筒 排気量:544cc ボア&ストローク:58.5×50.6mm 圧縮比:9.0 最高出力:50ps/8,500rpm 最大トルク:4.4kg-m /7,500rpm 点火方式:バッテリー 始動方式:セル、キック クラッチ:湿多 ミッション: 5速(1:2.353 2:1.636 3:1.269 4:1.035 5:0.900 ) 全長:2,160 全幅:830 全高:1,115 軸距:1,405mm 車両重量:212kg タイヤ:F・3.25−19 R・3.75-18 燃費:33km/L 価格:41万 9千円

風倶楽部

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