HONDA CBR250FOUR 1986

HONDA CBR250FOUR 1986 

　 自社のVT系に4 サイクルスポーツの市場を奪われた形となったCB。ホンダとしては世界に名を成したCBの復活を賭けて、驚異的とも言える250cc スポーツモデルを生み出して来た。ヤマハFZ250PHAZER(1984y)やスズキGF250(1984y)の水冷インライン-4に対抗して、カムギアトレーンのDOHCを量産車に与え、アルミツインチューブ・フレームをも採用すると言った熱の入れようだった。パワーユニットは、レッドゾーンを17,000rpm からと言う常識破りの超高回転型とし、当時としてはド肝を抜くインパクトモデルだった。カムギアトレーンの採用は、この超高回転に対応する為の機構として与えられたものだ。2 毎歯構造のギアを採用。バッククラッシュを常にゼロとし、高回転時のバルブタイミングに正確さを与える目的である。チェーンによるノイズの発生やフリクションの低減にも効果が得られている。ギアトレーンの入力は、クランクシャフトからではなくクラッチ側のプライマリードリブンから。配列は、一次駆動系のギアスペースを有効的に利用して、#3、#4のシリンダー間に収める特徴的なレイアウトを持っている。ギアトレーンはカセットホルダーによって簡単に取り出すこともでき、メンテナンスの面でも有利な一面を持っている。超高回転型とは言えストリートでの使用に際し違和感の無いように、最大トルクの80% を4000rpm から発生させ、最高出力の90% 近くをレッドゾーン付近まで維持させている。これにより、今まで体感し得ることの無かった高回転域までストレスなしにパワーを持続できる訳だ。パワーの実行エリアは4000rpm 付近から14500rpmのワイドなもので、これ以降はリミッターの作動する18000rpmまでフラットに持続を続ける。35°に前傾されたパワーユニット本体はキャブレターを含め重量は43kgと軽量。現行の4 サイクル・クォーターレプリカのはしりを成したモデルではある。が、フレキシブルな操縦性はレプリカにはない魅力にもなっている。