HONDA CBR1000F 1989

HONDA CBR1000F 1989

 この年の唯一のニューカマーとなったのは、1988y のケルンショーで発表されたスーパーエアロフォルムのCBR1000Fだけだった。従来モデルからはシェイプアップされ、よりスラント化したノーズダイブのフロントカウルで、シャープさを強調したモデルとなった。パワーユニットは従来型を採用しながらも、出力面でややリファイン。132ps/9500rpm →135ps/9500rpm にパワーアップしている。変更点の多くは、外観を形成するパーツが主で、ポジションにも多少の影響を与えている。ハンドル位置そのものは従来モデルと変更はなく、ステップの位置を僅かに前方に配置。これと共にチェンジペダルにはリンク機構が新たに与えられている。シート形状の変更と共に、ヒップポイントは前方に置かれ、僅かに下げられてた効果から、足付き性も向上。大型車から受けがちな不安感はない。外観のイメージから、ツアーモデルとの意識が働くが、実際の試乗に際してはスーパースポーツの真骨頂を体感させてくれる。アクセルのオン・オフにも、極めて姿勢変化を崩さない安定したコーナーリング。軽快とは言えないまでも、ニュートラルなハンドリング。サスペンションは、リアに限って言えばサブパッセンジャーや重量物の積載も考慮されていて、ややハードな印象を受ける。カバードされて少々厄介な作業となるが調整も可能だ。フレームはスチール製のボックスタイプのツインチューブを採用。レプリカモデルにありがちなガチガチの印象とは異なり、剛性感としなやかさを合わせ持っている。神経を尖らすこともなく、高速域を安心感を持って、誰もがクルージングを楽しめるセッティングが成されている。ヘッドライトは、これまでの角型1 灯式から一体型の2 灯式に改められ、ナイトランの快適性は大幅にアップしている。ホイールは、従来のS 字断面の3 本スポークから、中空の3 本スポークに変更し、タイヤもサイズアップ(F.110/80-17→120/70R17 R.140/80-17 →170/60R17)させている。このタイヤの変更と共に、コーナーリング時のフィーリングも変わり、リア荷重を増してアクセル・オンでグリップ力を高めた方が、旋回性の効果は得られるようだ。

風倶楽部

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