HONDA CBR1000F 1993

HONDA CBR1000F 1993

 1986年の発表から既に7年を経過、リッタ−バイクとして最新の技術を投入した高性能モデルをコンセプトとして造り上げられてきた1000F。 '93年モデルでは連動ブレ−

キシステムに新技術を開発して装備してきた。DCBS〔Dual Combined Brake System] は、

「ゴ−ルドウィング」や幾つかのモデルに採用されている既存システムと異なった、全く新しい前・後輪連動ブレ−キシステムです。従来のものは、レバ−ブレ−キでは前輪の片側だけ、ペダルブレ−キでは前輪のもう片方と後輪が連動するもので、レバ−ブレ−キだけを頻繁に操作する必要性のあるモデルには不向きな面もありました。

 今回のDCBSでは、レバ−或いはペダルのいずれの操作においても、前・後輪に適切な配分で制動力を与えられるものとなった。(システムの作動形態の詳細は図と共に別表で説明。)ニュ−タイプのPCV(Proportional Control Valve)と前2/後1の特異なピストンサイズをもつ3ポットブレ−キキャリパ−、それにフロントサス左側に設置されたリンク機構と二次マスタ−シリンダ−が此のシステムを構成している。コンピュ−タ−によるものではなく、比較的安価に仕上げられたことは嬉しい。

 但し、ABSはシステムに加えられてはいない為に、車輪がロックしない分けではなく、非常時のブレ−キングとして役立たせるものではないことを理解しておかなければならない。又、サ−キット走行の様にブレ−キテクニックにシビアな要求がされる状況では、個々のコントロ−ルの使い分けが出来ないことで、レプリカモデルには不向きと思われる面もある。しかし、不意の際にライダ−にかかるコントロ−ルミスを最小限に抑えることや、大雑把なコントロ−ルにも常時正確なパワ−コントロ−ルを果してくれることでの安心感は嬉しい。ハ−ドブレ−キング時にもピッチングモ−ションの発生は抑えられ、車体が安定したままの姿勢を保っていられる。又、通常のバイクとの比較では、感覚よりもかなり手前で減速が完了できる等、一般公道では大いに役立つシステムだ。トップカウルを20mm後退させ、マスの集中化を図る等、ハンドリング面でも軽快感が与えられ最高峰のツアラ−モデル。海外でも大いに評価を高めたモデルであった。

〔DCBSシステム解説〕

(レバ−ブレ−キによる作動)・・レバ−を操作することによってフロントマスタ−シリンダ−に発生した液圧は、一般のブレ−キ同様にフロントキャリパ−に伝わります。この時は、両キャリパ−のそれぞれのトリプルピストンの両端にのみ制動力が得られます。更に、左側のキャリパ−に発生した制動力は、リンク機構を介して2次マスタ−シリンダ−に伝わり(メカニカルサ−ボ機構)ここで新たな液圧を発生させます。この液圧は、入力される圧力によりNew PCVにより3段階の出力特性に制御変換され、入力に応じた出力となってリアキャリパ−のトリプルピストンの両端にのみ作用します。レバ−ブレ−キ操作時による配分特性は、一人乗車時の理想制動力配分特性よりも低めに設定してあります。レバ−による入力が増していくと、最終的には前輪が後輪よりも先にロックする様に設定されています。(ペダルブレ−キによる作動)・・ペダルを操作することによってリアマスタ−シリンダ−に発生した液圧は、2系統に分かれ、一方はリアキャリパ−のトリプルピストンの中央のピストンに作用します。もう一方の液圧は、フロントの両キャリパ−のそれぞれの中央のピストンを作動させ、ここで発生した制動力で、レバ−入力時と同様に2次マスタ−シリンダ−に液圧を発生させます。更に、この発生した液圧はNew PCVを経て、リアキャリパ−の両端のピストンに制御変換の後作用されます。つまり、ペダルブレ−キの操作時には、フロントキャリパ−それぞれの中央ピストン一つづつと、リアキャリパ−のトリプルピストン全てに入力されることになります。又、ペダルブレ−キによる制動の配分特性は、最大積載時の理想制動力配分特性よりも高めに設定されています。この結果、ペダルブレ−キ使用時は、後輪からロックが始まると言うように、一般のブレ−キが備えている基本の特性に沿った設定が与えられています。


HONDA ホンダCBR1000F 1993

エンジン:水冷4サイクルDOHC4バルブ4気筒 排気量:998cc ボア&ストロ−ク:77.0×53.6mm 最高出力:135ps/9,500rpm最大トルク:10.6kg-m/8,500rpm 始動方式:セルフ ミッション:6速 乾燥重量:235kg シ−ト高:780mm 燃料タンク容量:22  輸出車 

風倶楽部

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