CBR900RR
日本では、ハイパースポーツ・モデルが、今一つ市場の支持を得ていないようだ。が、ことヨーロッパ市場においては、依然として強いアピール性を示している。CBR−RRも又、走り屋御用達モデルと言ったところか。 外観こそレーシングモデルに近い印象を表してはいるが、このモデルにはRC45の様なシビアな運動性能は求められてはいない。無論サーキットに持ち込めば、並のモデルと一緒という訳ではないが、不均一な路面状態に対応すべく、サスペンション設定に柔軟さが与えられているのも確かだ。レーサーレプリカではないから、イヤーズモデル並の対応を求められる訳でもないが、CBR−RRもまた、今回は3代目となる'96年モデルを発表してきている。 一見して何の変化もないように写るこのモデルも、実は全面的に著しい改良が図られ、フレームは全くの新設計、スイングアームにも新型が採用されている。サスペンションは前後共にダンパー効果の見直しによる初期作動のフレキシブル化を図っている。細部に至っては、U字型のラジエーターの軽量化、フェンダーの形状の見直しによる車体リフト効果の減少等々、徹底した改善が行われている。エンジンに至っても、ボアの1mmアップによる排気量の拡大とともに、キャブレターのセッティング変更を行い、4psのパワーアップと0.3kg-mのトルクアップが図られている。このパワーアップに伴い、クランクシャフトの強度を高め、更にシフト効果の改善を図るなどの対処も行っている。こうして妥協なく改善が図られた「ファイアーブレード」は、前年モデルよりは格段に進歩しているはずだ。しかし、そうした性能の向上ばかりでなく、ライディングポジションの自由度も大きく改善されている。ハンドルは10mmアップと若干5mm手前に寄せられ、フューエルタンクはトップ面を5mm低くしながらも、これまでと同様の18リッターを確保している。
パワーウエイトレシオ1.43kg/psは、上級モデルを凌ぐ驚異的な数値。乗り易さも増した世界のカットビ・モデルの一台となった。
エンジン:水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒 排気量:918cc ボア&ストローク:71×58mm 圧縮比:11:1 最高出力:128ps/10、500rpm 最大トルク:9.3kg-m/8、750rpm キャブレター:CV型φ38mm 始動:セル 変速:6速 全長:2,030 全幅:675 全高:1、130 軸距:1、405 シート高:810 地上高:130mm 乾燥重量:183kg キャスター:24° トレール:90mm サスペンション:F・φ45mmカートリッジタイプ(アクスルトラベル120mm)R・7段階プリロードアジャスター付き(アクスルトラベル125mm) ブレーキ:F・296mmデュアル R・220mmシングル タイヤ:F・130/70ZR16 R・180/55ZR17 [輸出仕様]
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