AFRICA TWIN 1996y
オフロードを縦横無尽に走破するというよりも、道を選ばない高速ツアラーとしてその地位を確立しているヨーロッパ市場におけるビッグオフロードモデル。その中でも特に人気の1台がアフリカツインだ。アドベンチャースポーツとサイドカバーにも記されてあるように、ユーザーの多くは、オンオフに関係なく、冒険心を一杯に抱えてオールラウンドモデルとしての醍醐味を堪能しているのである。
扱いやすく信頼性抜群のV型2気筒エンジンをはじめ、865mmの低シート高を実現した低重心設計のフレーム、スリムなタンク&シート、絶大なプロテンション効果を誇るフェアリング、ロングツーリングに重宝する多彩な機能を備えたデジタルトリップツインメーター、左右にはみ出したサイドカバーに備わるツールボックス、フラット設計の大型リアキャリアなどなど、ツアラーとしての装備はどこをとって見てもトップレベルの仕上り。
パリダカールラリーで連続優勝(1986〜1989y)を飾ったワークスマシンNXR750のレプリカモデルとして'88年にデビュー。'93年の大幅なフルモデルチェンジを経て、現行モデルへと進化したアフリカツイン。基本構成は'93モデルから大きな違いはないが、'96モデルでは、よりウインドプロテクションを高めるためのカウル形状のリファインにより、ライダーへの走行風を軽減するとともに、ヨーロッパの騒音規制に対処するため、エアクリーナーやマフラーの大型化が図られているのも大きな特徴だ。
その他の装備面としては、盗難防止用のU字ロックが収納可能な新型のリアキャリアを装着している点も見逃せない。盗難による被害は日本でも増加の一途だが、ヨーロッパでは、日本で想像する以上に深刻な問題なのだ。エンジンは、点火方式をCDIからフルトランジスタ式バッテリー点火に変更。さらにサイレンサーの大型化などにより、高出力化(57ps→58ps)と燃費(24.1km/ℓ→25.2km/ℓ)の向上を実現。また、シート形状の見直しによる座り心地の向上、操作しやすい新形状のクラッチレバーなど、快適性を高めるための変更なども細部にまで及んでいる。
ラリーレイドのイメージを追求したビッグオフとして開発されたアフリカツイン。しかし実際には、タウンユースから高速道路、ラフロードランなど、オールラウンドに楽しめるツアラーとしての性格が強い。エンジンは位相クランクを採用した水冷Vツインで、58psの大パワーと6.1kg-mのビッグトルクを発生。ストロークが長くしっかりしたサスペンションや剛性の高いボディまわり、快適性優先のビッグボディとカウルなどが効いて、どんな長距離、悪条件でも快適きわまりないツーリングが楽しめる。大きさと重さが気にならなければ、ぜひ一度体験してみたい異次元ツアラーだ。カラーリングを一新した'97モデルも登場しているが、基本構成やスペックなどに変更はない。
ホンダAFRICA TWIN 1996y
エンジン:水冷 4サイクルOHC 3バルブ52°V型 2気筒 総排気量:742cc ボア&ストローク:81×72.0mm 圧縮比:9.0 最高出力:58ps/7,500rpm 最大トルク:6.1kg-m/6,000rpm 始動方式:セル 変速機: 5段( 1:3.083 2:2.062 3:1.550 4:1.272 5:1.083 )全長:2,320 全幅:905 全高:1,430 地上高:195 軸間距離:1,555 シート高:870mm 重量:207kg 燃料タンク容量:23 キャスター:27°30′トレール:108mm タイヤサイズ:(f)90/90-21(r)140/80-17 価格:89万円(限定200 台)
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