KAWASAKI Z400 1976-1978

KAWASAKI Z400 1976

1974年にデビュ−した400RS に僅かな改良を与え、'76 年にデビュ−したZ750T(DOHC-2バルブ2気筒) と共にZ400としてラインナップされた。マルチ全盛の時代に、敢えて登場したのは、アメリカ市場を意識してのこと。アウトバ−ンを持つヨ−ロッパとは異なり、アメリカでは長距離をマイペ−スでツア−する傾向があり、ロングランを疲れること無く気儘に楽しめるモデルが要望されている。チョッパ−モデルに代表される「アメリカン」も良いが、時にはスポ−ツツアラ−の如くハイスピ−ドで走り抜ける性能も欲しい向きに大いに称賛された。パワ−ユニットはSOHC-2バルブ2気筒。ショトストロ−クに設定し、ピストンスピ−ドを早めることなく、高回転が得られる。バランサ−をクランク前方に配置し、クランクシャフトとは反対方向への回転を与え、クランクに発生する振動を制御している。フレ−ムはダブルクレ−ドル。キャスタ−63.5°/ トレ−ル79mmと決して走りや向きの設定ではないにしろ、170kg と軽量な車体は思いのほか軽快な走りを見せる。回す気になればそれなりの走りが楽しめるだけに、アダルトなファンには打って付けのモデル。

KAWASAKI  Z400 1977

デビュ−以来のオ−ソドックスな外観に変更も無く、確実な動力性能と取り回しの容易なモデルとしての支持で人気を獲得。ベ−シックモデルとしても高レベルの仕上がりを与えられていた。'77 年モデルでは燃料タンク側面のラインを変更。スペックデ−タ−に変更はないものの、吸排気系の見直しが行われて、中低速域での出力特性の向上が図られている。キャブレタ−は、シリンダ−内の負圧でバキュ−ムピストンを動かし、混合気の吸入をコントロ−ルするコンスタントバキュ−ム式。ラフなアクセルワ−クにも的確に追従する。

KAWASAKI Z400B 1978

400cc クラスの2気筒モデルとしては最も速いデビュ−だったZ400(400RS/1974y→Z400B1/1976y) も、その動力性能の魅力から、多くのユ−ザ−に支持され、他メ−カ−のライバルモデルを生むこととなった。750cc に匹敵する車格と、オ−ソドックスながら重厚な外観、十分な出力と扱い易さ・・が、支持されたポイントである。ホンダCB400N(ホ−ク3)、ヤマハGX400SP 、スズキGS400E(DOHC)、どれも同様のコンセプトが与えられたモデルだった。Z400は、これらのライバルモデルの出現に対し、やや気勢を欠いていた感がある。CB400N(1978y) のSOHC-3バルブのパワ−ユニットや前後オ−ルアルミのコムスタ−ホイ−ル。スズキGS400EのDOHCのパワ−ユニット+アルミキャストホイ−ル。ヤマハGX400SP のリアディスクブレ−キ+キャストホイ−ルと、追従する他メ−カ−の気勢が上回っていった。速さでは、CB400Nが断然リ−ド。GS400Eは軽快性をアピ−ルしていた。Z400は他車の追従に対し、外観のイメ−ジをグレ−ドアップして、5年振りのモデルチェンジとなった。タンク形状の変更、リアシ−ト・カウルの追加、マフラ−形状の変更、シリンダ−のブラック仕上げが、更に精悍さを増していた。安全機構としては、自動格納サイドスタンドやオ−バ−フロ−の心配のないオ−トフュ−エルコックが採用。しかし、何と言ってもこのモデルの魅力であるスム−ズな出力特性と、マッチした6速ミッション、スイングア−ムに与えられたニ−ドルロ−ラ−バアリングによるリアの追従性の確かさは、ライバルモデルにも依然として勝るポイントとなっていた。フレ−ムは細部を変更、フロントタイヤを1サイズ細くして、以前の低速での切れ込み無くし、高速走行時のハンドリングも軽快なものにしている。

風倶楽部

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