KAWASAKI AR50/AR80/AE50/Z250FT/Z250C 1981

KAWASAKI AR50 1981

 初の50ccロ−ドスポ−ツモデル。カワサキが50ccクラスに本格的なロ−ドスポ−ツモデルをラインナップするのは始めてのこと。カワサキファンならずとも多くのユ−ザ−の期待を一身に集めてのデビュ−だった。一部に噂されていた水冷ユニットではなく、ピストンリ−ドバルブの何の変哲もない空冷のパワ−ユニットに、少々ガッカリした人もいた。ヤマハはこの年の 6月に水冷RZ50を準備、ホンダMBX50 、スズキRG50Γも翌年にデビュ−を控えていただけに、やや気落ちしたのは仕方ないこと。しかし、こと出力特性に至っては水冷に劣らず高い評価が与えられた。レッドゾ−ンの始まる1万回転まで、全くストレスなしに回り、トップギアのまま30km/hからでも加速(ゆっくりとではあるが)を始めるフラットトルクは、ライバルの水冷にもない利点となった。街中では絶対に負けない程の活発なパワ−特性と、スパルタンな印象を与えたスタイルのカッコ良さは、一部に熱狂的な支持者を築いた程だ。フレ−ムは、メインパイプを楕円に近い形状とした綱板とパイプによるセミダブルクレ−ドル。リアにはユニトラック・サスを装備。前後にアルミキャストホイ−ルと、本格的な装備は上級車顔負け。


KAWASAKI AR80 1981

 スパルタンな外観のカッコ良さと共に、水冷ユニット全盛期に敢えて空冷で挑んだあたり、却って無骨でカワサキらしさにもなって支持されている。カワサキ車にあって“ユニトラック”を真先に量産車に採用した点で、カワサキのこのモデルに賭ける意気込みも感じられる。実際の能力も高く、120mm のロングストロ−クに似合わない程シッカリとショックを吸収。動的バンク角50度の深いアングルを利して、バツグンのコ−ナリング特性を引き出せる能力を持っている。剛性感の高いフレ−ムと強力なブレ−キング能力が魅力。


KAWASAKI  AE50 1981

 AR50の兄弟にモデル。同型の空冷2サイクル単気筒エンジンをサスペンションストロークたっぷりの車体構成に合わせて搭載している。フロントには19、ユニトラック・に16インチのタイヤを組みこみ、7.2PSのを活かしOFFでの走破性もなかなかに示してくれた。ただ、そのエンジン・フィーリングを活かしきれないブレーキ性能は残念。それでも、カワサキらしさの無骨さと荒削りさがあってなかなかの人気モデルとなった。


KAWASAKI Z250FT 1981

 発売(1979y.2) 以来の好調な売上に、ライバルメ−カ−のホンダが、CB250 HAWKにス−パ−スポ−ツバ−ジョンをラインナップさせてきた程、強力な支持を受けていたモデル。パワ−ユニットはバランサ−を持たない180度クランク。しかし、高速での振動は極僅かと言う出来の良さも光る。2サイクルではヤマハRZ。4サイクルではホンダCB250RS やCB250HAWK と言った強力なライバルの出現にも脅かされることなく、オ−ソドックスな作りが支持。カッチリとしたカワサキらしい作りに信頼性の確かさが伺える。


KAWASAKI Z250C 1981

 単気筒250cc のパワ−ユニットを搭載した輸出向けロ−ドスポ−ツ・モデル。デビュ−は1980年。Z250LTD と共通のコンポ−ネントで構成。国内では、Z250FXとの競合を避ける為か、1982年 1月になってZ250FSとして登場している。ホンダCB250RS/RS-Zの人気に誘導されるかの様にしたデビュ−だった。が、輸出モデルとして、その後 8年近くも生産ラインにのっていた息の長さは、省エネ時代を生き抜いたベ−シックモデルとしての力強さが感じられる。フルトランジスタ点火、セルモ−タ−を装備。750mm の低シ−ト高と131kgの軽量ボデ−は、海外においてもシティ−コミュ−タ−として大人気だった。

風倶楽部

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