KAWASAKI Z400Custom/Z400LTD-II/Z400FX E4/Z750FX-III/Z1100GP/Z1000J 1981

KAWASAKI Z400Custom 1981

 かつてはアメリカで大人気となったZ400が、リフレッシュしたトラディショナルな外観で登場した。この当時は、アメリカンモデルの人気に押され気味の感もあり、スポ−ツモデルとの両極端なギャップを埋める意味合いをもって、所謂「普通」の気張らないで乗れるバイクとしてラインナップに登場させている。スズキはGSX400T 、ホンダCB400LC/CM400T等が同じジャンルを築いていた。但し、ヤマハのSR400/500 の人気に圧倒され、特に目立った売れ行きは無くも、正統派のアダルトに着実に支持されていった。


KAWASAKI Z400LTD-II 1981

 Z400FXのパワ−ユニットをそのままに、LTD のスタイルに身を包んだ、ファンキ−な走りで魅力のモデルだった。フロントフォ−クにはエアアシストのサスを、リアには新たにアジャスタブル・ダンパ−と穴空きのディスクプレ−トを装備したブレ−キシステムを採用、強烈な走りにも対処している。ホ−スバックライディングのユッタリポジションからの強烈な加速は、否応なしに上体をのけ反らせてしまう。中低速・・を等と言う設定は与えずに、カッ飛び派のアメリカン・ライダ−を狙った異色のモデルだった。


KAWASAKI Z400FX E4 1981

 初期型発売以来、初の大幅変更を受けたモデル。大幅な変更を受けたのは足回り…フロントにセミエアサスペンション、リアには調整機構付きを装着。同時に…タイヤはチューブレスタイヤを与えられ走りの軽快性と信頼性を両立。また、点火系にはフルトランジスタが採用され、全域にトルクフルな出力特性が図られている。ブレーキのタッチにも向上効果が見られるのはGOOD 。


KAWASAKI Z750FX-III 1981

 Z750FX- II(1980y.8) の発展型。国内初のナナハン(CB750Four/1969y.8) から数えて12年目を迎え、カワサキのZ1を原点とする大型のロ−ドスポ−ツモデルも、時代背景と共に様変わりを見せてきた。若者をタ−ゲットに、スペックやメカニカルな意識を優先とした車作りから、グレ−ド感を高めていき、やがて本質の走りに向かっていく辺り、ユ−ザ−と共に成長していく企業の展望も見え隠れする。FX-IIIは、カワサキユ−ザ−にとっても決して印象度の高いモデルではない。個性と言う部分では、依然としてZ1のインパクトに敵うものでは無いし、カワサキらしさを個々に表してはいるものの、全体的なまとめはオ−ソドックス。走りのレベルを高めてはいるものの、インパクトに欠けた作りは残念としか言えない。しかし、この後のカワサキの変貌は見事、この翌年にはZ750GPが発売。FX-IIIをベ−スとしながらも見事にイメ−ジチェンジしている。Z1000 をベ−スとしたZ1000R(ロ−ソンレプリカ)の発売もあわせ、躍動感を再びカワサキモデルに呼び起こすことに成功

している。


KAWASAKI カワサキZ1100GP 1981

 国内向けのZ750GP/400GPに先立ち、輸出向けにデビュ−させたモデル。コンピュ−タ−制御のフュ−エルインジェクションを装備。ヨ−ロッパ向けには100ps 規制に適合、北米向けにフルパワ−の108ps/8500rpm 仕様がリリ−スされている。ベ−スモデルとなったのはZ1000-J1(1981y) 。黒塗りのクランクケ−スカバ−にブラックマフラ−を与え、ワイルドな印象を作り出している。同じく、Z1000Jをベ−スモデルとしたZ1000R(1982y/ロ−ソンレプリカ)とは、出力特性で大きな違いがあり興味が持てる。インジェクションの効果はスム−ズな加速フィ−ルにある。ビッグパワ−の本領が発揮される中速から高速にかけて、突発的な変化のないフラットな出力特性が印象的だ。こうしたビッグパワ−のモデルは、アクセルコントロ−ルにパワ−ユニットがシビアに反応する為、一定スピ−ドに保ような場面では困難さも付きまとうもの。しかし、こうした場面でもインジェクションは有効に働いてくれる。発進時のクラッチミ−トにも神経を使うことはない。但し、市街地で多用する2000〜3000rpm 付近ではビッグバイク故のギクシャク感は現れる。サスペンションは低速でソフトに、高速ではハ−ドにプログレッシブに対応。リアの2本サスもユニトラックに較べて遜色はない。


KAWASAKI Z1000J 1981

 Z1000Mk-IIの後継モデルとしてデビュ−。このモデルをベ−スにZ1100GP やZ1000Rと言ったス−パ−スポ−ツモデルが生み出されている。パワ−ユニットの998cc は、ス−パ−バイク・レ−スのレギュレ−ションに適合させたもので、Mk-IIのボアダウンサイズとし高回転型に転換させられ、出力の向上が図られている。Z1000Jのパワ−ユニットの潜在能力は非常に高く、Z1を上回る為の改善が細部に至る部分にまで施されている。主だった箇所は、クランクシャフトの形状変更、インナ−シムの採用、クラッチの強化等が挙げられる。フランスカワサキとカワサキ本社共同開発のワ−クスマシンが、'81 年の世界耐久選手権シリ−ズでチャンピオンを獲得する等、レ−ス界で大活躍。日本では“モリワキ・モンスタ−”をW.ガ−ドナ−がライディングする等、話題豊富なモデルだった。因みに、モリワキモンスタ−の最高出力は、148ps/10500rpm。キャブレタ−には、京浜製CRタイプでメインボア31mm×4 が与えられていた。

風倶楽部

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