KAWASAKI GPZ400/GPz400F/GPz250/AR125 1983

KAWASAKI GPZ400 1983

 空冷DOHC-2バルブ並列4気筒と言うベ−シックなパワ−ユニットで、水冷時代にチャレンジしたカワサキスピリッツの全貌をみせたモデル。Z400GP(1982y.3) そっくりの外観を見せるパワ−ユニットも、より高回転・高出力化を図り、従来よりもショ−トストロ−ク (52 ×47→55×42mm) としている。カムシャフトやキャブレタ−、ピストンやエキゾ−ストポ−トと言った、吸排気系の全面的な見直しも図られ、Z400GPの48ps/10500rpm から3ps アップの51ps/11500rpm の数値を稼ぎ出している。非常にピックアップの良い軽快な回転フィ−リングで、水冷への拘りを一切感じさせない程の印象を示してくれる。実際には、高められた数値以上の出力特性が体感できる程だ。12500rpmを過ぎても上昇を続けるレブカウンタ−には、12700rpmで2気筒のスパ−クをカットするオ−バ−ランリミッタ−も装着している程良く回る。キャストホイ−ルの軽量化やボトムリンクのニュ−タイプのユニトラック・サスの採用で、柔軟性を増した足回りは、最新の16インチ車にも匹敵する動力性能を持ち、その上はるかに操縦性がし易い。油圧式としたカワサキ初のアンチノ−ズダイブは、他社との比較を十分に成された上での採用ともなり、ハイレベルな設定の仕上がりを与えている。リアのスプリング調整は、右サイドカバ−内に装備されたリモコンボックスで行う。


KAWASAKI GPz400F 1983

 Z400GPに代わって流麗でスタイリッシュになったGPz400だった。が、発売から僅か9ヶ月でマイナーチェンジが施され、最高出力が3PSアップ…54ps/11500rpmへと向上させられたGPz400Fがデビューしている。カラーリングの変更以外…サイレンサーエンブレムの廃止と言った僅かな変更点のみ。


KAWASAKI GPZ250 1983

 Z シリ−ズの終焉と共にカワサキは新時代の幕開けをGPZ シリ−ズで迎えることとなった。Z1のデビュ−(1972y.5) から丸10年を経過していた。GPZ シリ−ズはこの年、1100を筆頭に750/400/250 が揃ってラインナップ。更に、翌年には大本命のGPZ900R/750Rの水冷シリ−ズが準備され、新体制への弾みを掛ける年ともなった。GPZ250は、Z250FTと共通のサイズのボア&ストロ−クを継承しながらも、燃焼効率の向上化を図り全面的に見直し。吸排気系の効率の向上と共に、バルブの挟み角の変更。シリンダ−ヘッドの形状変更。又、出力向上による対策として冷却フィンの拡大、他ピストンヘッド、ピスットンピンに至まで徹底的な改良を施している。車体関係も全くの新設計。リアにはニュ−タイプのボトムリンク式ユニトラック・サス。更に、駆動にはブルトドライブが与えられている。DOHCや水冷と言ったメカニズの全盛期の時代に、ユ−ザ−としては、空冷SOHC-2バルブは些か頼り無さを感じたかも知れない。しかし、これがカワサキ神髄なのだ。見てくればかりでユ−ザ−の目を奪うのではなく、徹底した技術開発を図りながら、次のステップボ−ドとする。GPZ シリ−ズには空冷最強のパフォ−マンスが与えられていたのだ。


KAWASAKI AR125 1983

 吸気方式を"R.R.I.S.(ロ−タリ−&リ−ドバルブ・インテ−ク・システム" とした、カワサキとしては国内初の水冷のパワ−ユニットを採用したモデル。ロ−タリ−バルブのポ−ト両側にリ−ドバルブを配したパワ−ポ−トを設けて、6000rpm 以下ではロ−タリ−バルブから、6000rpm 以上ではパワ−ポ−トからも吸入するシステム。クラス初のサ−モスタット付きの水冷ユニットは、ライバルのホンダMBX125F と同じ22psと最強の数値を発生。スピ−ドはフルスケ−ル140km/h をクリア−する。リアのサスペンションは、ニュ−タイプのボトムリンク式のユニトラックサス。スプリングイニシャルは5段階に調整を可能としている。出力特性は、ヤマハRZ125 の様なピ−キィ−な印象は無く、どの回転域からも必要なパワ−が得られる・・と言った印象。街中では十分に活かされる特性も、サ−キットレベルでは有利とは言い切れない。必要回転域までの到達のタイミングが、ややダルな印象となる。6000rpm 以上では確かにパワ−の盛り上がりを感じるが、中速域からのつながりが1テンポ遅れる。カワサキ特有のロ−タリ−ディスクバルブ。WGP のKR250/350 のノウハウを活かし、更に発展させたシステムだったが、逆に出来過ぎた感も否めない。

風倶楽部

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