KAWASAKI KR250 1984

KAWASAKI KR250 1984

 シリンダ−を前後方向に2基配置した直列のレイアウトを取り、“タンデムツイン”と呼称する特殊なパワ−ユニットを持っていた。ロ−タリ−バルブ方式は、60年代のカワサキのス−パ−スポ−ツを敬称するシステムと言うばかりでなく、WGP の250/350 を圧倒的な強さでリ−ドしたワ−クスレサ−のシステムでもあった。実際には直列とは言っても、爆発工程の違いやレイアウトの変更で、形式の異なるパワ−ユニットなのだが、意識的にはかなり近づけている。量産車となったKR250 は“ロ−タリ−&リ−ドバルブ”。これは、ロ−タリ−バルブの吸気ポ−ト両側に、更にリ−ドバルブを設けたもの。低回転域ではロタリ−バルブのみが働き、高回転域に入るとリ−ドバルブからも混合気を同時に吸入するシステム(RRIS)である。AR12581983y)と同様のシステムではあるが、その違いは各ポ−トのサイズの設定にある。KR250 では、ロ−タリ−バルブ・ポ−トをより小さく、リ−ドバルブのポ−トを拡大して、高速域でのリ−ドバルブの働きを更に高め、低速域でのロ−タリ−バルブによる特性を向上させることに成功している。元来、ロ−タリ−バルブのシステムは、吹き返しが少なく高出力化が図り易いと言うことではあったが、システムが複雑化する為、コスト面での跳ね返りもあり、量産車では扱い難い面もあった。KR250 での採用は、景気の上昇傾向にも助成されたものとも言える。


KAWASAKI KR250 1984-1985

 4月にデビュ−したライムグリ−の初期型に続き、秋にはニュ−カラ−が3タイプ(赤/黒、白/赤、赤/灰)加えられている。KR250 の利点と言えば、パワ−バンドの広さだった。勿論、いくら低速域が向上されたシステムとは言え2サイクル。6000rpm 以下では心細い。7000rpm から立ち上がってくる特性は、それなりのものだ。但し、ここからが問題で、KRには10500rpmを越える辺りまで活かせる幅がある。それでも未だ・・と言う人には、'85 年 4月以降のKR250Sが勧められる。排気デバイスのKVSSを装備して、低速域での出力特性の向上が図られているモデルだ。

風倶楽部

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