KAWASAKI KS−I/II 1988
オン&オフを選ばない“スーパーバイカーズ・ミニ“の愛称がピッタリの活発モデル。タイプ Iは49cc、タイプ II は78ccのパワーユニットを持ち、キャブレターの違い(VM16/VM18)の他装備に異なるところはない。性能値の違いは別記の通りである。が、共通の6速ミッションのギア比以外、一次減速比の3.619(76/21)も共通。異なるのは二次減速比で、タイプ I の2.857(40/14)に対しタイプ II では2.000(30/15)となっている。デビュー当初は空冷の2サイクル・ピストンリードバルブを搭載。3,000rpm近辺から一気に活発になる特性で、それも中々に楽しいものだった。セミダブルクレードルのフレームや、インナーチューブ径φ27mmのフロントフォーク、 5段階のイニシャル調整を可能としたユニ・トラックサスペンション、サブフレーム付きのスイングアーム等、本格的な装備とその威力を十分に発揮していた。ポジションには一貫した哲学を持っているカワサキ。KSにも余裕の設定を与えて、本格的なモーター・スポーツイベントにも対応出来るものとしている。'90モデルからは、フロントに倒立サスを装備。スイングアームもサブフレームを下方から上部に移し、印象を異なったものとしている。キャスター角はそれまでの26°と共通としながらも、トレールを67→70mmに拡大。安定性のレベルを高めたハンドリングに仕上げている。パワーユニットは、空冷→水冷に改めたピストンリードバルブ。タイプ II のみボア&ストロークを変更(49×41.6mm→47× 45.8mm) 。圧縮比はタイプ I が8.0 →7.9 、タイプ II で7.8 →7.0と共に低圧縮化させている。更に、初期型でドラムブレーキを採用していたリアに、新たに外径φ180mmのディスクを配し、フロントのディスクも大径化(φ170 →φ210mm )して対応している。モデルチェンジされた現行型モデルは、出力特性こそやや低・中速向きにアレンジされたとはいえ、高回転域では更にパンチ力を増し、戦闘力そのものは大いに向上している。タイヤのグレードもフロント&リア共にアップ(3. 50-10 →100/90-12 )。俄然活発な走りを体感出来るものとなった。タンク容量は初期型の9 →8 に減量となる。が、例えスタイル優先とはいえ、従来の設定量を通して欲しいところだ。
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