KAWASAKI ZEPHYR1100/XANTHUS/ESTRELLA-RS 1992

ZEPHYR1100 1992

 ゼファーシリーズのフラッグシップモデルとして空冷最大級の1062ccのエンジンを搭載。新設計のツインプラグを採用し、バルブは敢えて2バルブとして扱い易い出力特性を生み出している。角形のカムカバーや直線を基調としたシリンダーデザインに合わせフレームとのマッチングは整えられており、全体のデザインバランスは、ゼファー750よりも400ゼファーに近い印象になっている。エンジンパワーは、93ps/8000rpmと控えめな数値ではあるが、243kgの車体を自在にコントロールするには最適なパワーバランスとさえ思える。重量車ではあるものの、ハンドルに過度な加重がかかることなく軽快感が与えられているのも好感度が高い。

XANTHUS 1992

 4サイクル版マッハ…と言うコンセプトを打ち出して製作された異色のモデル。ZZ-R系のパワーユニットを敢えて中低速重視のセッティングに改め、加速度を強調した設定になっている。出力面ばかりではなく、外観をも独創的な趣に仕上げ、極太のメインフレームに突出したステアリングヘッド部を与えている。右2本出しのマフラーといい…これまでに無いカワサキの一面を見せた意欲作でもある。

ESTRELLA 1992

 ゼファーのシリーズが決してレトロ…とは言い切れないものの、かつてのRS-ZIIやFXに憧れを抱いた年代のユーザーには懐かしい印象に映ったに違い無い。ESTRELLAも又、メグロSGに似た古き良き時代の郷愁を漂わせている一台で、オールドバイクのファンには目を引くスタイリングに仕上げられている。外観にばかりこだわったものでもなく、エンジンも近年には無いロングストローク化が図られ、キャブレターにもクラシカルな機構のものが採用されている。乗り味にまで凝りに凝った熱の入れようは大いに歓迎したい。近年の高回転エンジンに慣れた若者には、この穏やかに回るエンジンは物足りなさを感じるものではあるのだろうが、アクセルを煽ることなく、神経を尖らせてストレスを追うことなく走る様には新鮮な印象にもなったはずだ。レトロ感漂うスタイリングに不釣り合いとも思える前後に配されたディスクブレーキ。だが、似合うものかどうかは不問とさせて頂く。

ESTRELLA-RS 1995

 鞍型のセパレートシートでスタイリングのレトロ感をより高めてデビューしたエストレラにスポーティーな薄型のダブルシートを装着したRSが追加された。ホールド感のしっかりした仕上がりの良いシートでデザイン上においてもカスタムメードの装いを醸し出してくれる。流行に左右されることなく永く付き合える一台であることは確かだ。しかし、このエストレアもデビューから25年を経過して今年最後となるファイナルエディションが発売。1973年仕様の650RSをコピーしたタンクカラーがカワサキからの最後のプレゼントとなっている

風倶楽部

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