KAWASAKI ZZ-R400 1993

ZZ-R400 1993

　この年は、馬力規制を受けて最高出力は53ps/11000rpmへとパワーダウン。ZXR400と同じパワーユニットながら片や53ps/12000rpmとややZXRには高回転域への伸びに劣勢感を抱きつつも、アクセルワークに神経質になることもなく、フラットトルクの恩恵を受けて全回転域でスムーズな加速感を味わう方が乗り手には楽しめるものなのかも知れない。実際にエンジンそのものも各部の見直しが図られており、単なるディチューン版に終わっていない点も忘れてはならない。動作パーツのみならず、徹底した軽量化とツインK-RAS吸気の採用で出力特性にも改善の効果が表れており、軽く滑らかなばかりかトルク感が高まっている錯覚さえ覚える程の仕上げは見事。更に、特徴的なアルクロスフレームも新設計となり、カウルやボディーパーツも形状変更が成されている。こうした様々な変更を受けながらも一見して何の違和感も覚えずに走らせても…気づくのはハンドリングの落ち着きである。出力特性にマッチする全域のニュートラルさはこの年のZZ-Rの一番の評価点と言っても良い。