HONDA ホンダRC181 (1966y)
1966年から始まったGP500cc クラス。MVアグスタを駆るG.アゴスティーニとRC181 を有したホンダ・J.レッドマン/M. ヘイルウッドとの三つ巴の戦いとなった。しかし、ホンダがメーカータイトルと言う栄光の一端を獲得したのに対し、ライダー・チャンピオンの栄冠は、MVアグスタのアゴスティーニの手に成ってしまった。ヘイルウッドの渇望した年間の3 タイトルは、この年ばかりでなく、翌年も叶うことはなかった。RC180(1965y)のボア・ストローク54.6mm×48mm、総排気量449.5cc を基本ユニットとして、RD180 改では57mmのボアで490cc 、RC181 では57.56mm のボアの499.7cc と改良が続いた。が、90ps/12,600rpm以上とも言われたパワーは、常に最高のコンディションとは言い難いものだった。基本的には、RC172 のパワーユニットをベースとした4 気筒では、荷が勝ち過ぎていたのかも知れない。RC180 の当初のスペックは、9.87の圧縮比から、最高出力67.8ps/12,000rpm、最大トルク4.28kg-m/9,500rpm 以上を発生。だが、既に250/350 クラスにあった6 気筒の最新ユニットへの転化も成らず、8 気筒の噂も絶えて、ホンダは永き栄光の軌跡を深き闇に閉ざしてしまった。それは、自らの意思の赴く向きにではなく、GPの伝統を重んじるヨーロピアン達の一種の偏見とも思えたものだった。2 サイクルとの戦いを制し続けたホンダ・フォアの咆号が絶えたヨーロピアン・サーキット。そこには、超高回転域で奏でるメガフォンクアルテットのエキゾーストサウンドに酔いしれた人々の感銘と残響が未だに語り種として残されていると言う。
HONDA RC181 1966
エンジン形式:前傾並列4気筒
排気量:489.94cc
ボア&ストローク:57×48mm
圧縮比:11:1
バルブ方式:4バルブ
機関駆動方式:ギア駆動DOHC
点火方式:トランジスター点火
気化器:ピストンバルブ方式
最高出力:85ps以上/12,000rpm
潤滑方式:ウエットサンプ
クラッチ形式:乾式多板
変速機形式:常時噛合6段
最高速度:260km/h以上
車両総重量:153kg
タイヤサイズ:F3.00-18 R3.50-18
ブレーキ方式:F/ W2リーディング R/ 2リーディング
懸架方式:F テレスコピック R スイングアーム
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