ホンダドリ−ムCB400four 1974.12
CB350four(1972y)をベ−スに、エンジンのボア&ストロ−ク(47 ×50mm) のボア側をプラス4mm拡大(51 ×50mm) とし、ミッションを5速→6速に変更する等、ス−パ−スポ−ツ・モデルへと大変身させている。ボ−ルジョイント式のリンケ−ジを介し、後退させたステップ位置と低くセットされたショートバー(71cm)のフラット・ハンドルで、前傾姿勢を強いるマシンに、スポ−ツ心を大いに刺激されたものだ。4イン1の集合管、ニ−・ストッパ−を持たないフラット面のGタンク、悪路走行を考えない減衰力不足の硬めのサス等、オン専用の高速モデルだった。
このモデルが何故に若者の支持を受けたかは、幅広い年代のユーザー層に向けたものではなく、若者向けに特化した狙いがストレートに伝わってきたからである。当初、開発段階に置いては、ストッパー付きのシングルシートにロングタンク、セミカウルのスタイリングもアイディアとして存在していた。だが、これは従来からの古風な趣にも受け取られかねないと却下された経緯もあったようだ。
エンジンベースは、1972年にデビューしていたCB350four。言わば、CB750four、CB500fourに続く第三弾となる4気筒シリーズの完成版といっても良い仕上がりを見せていた。エンジンオイルとミッション潤滑用とが一体化されたために3.5リッターとなる大型のオイルパンとダブル・トルコイドポンプが採用されている。
CB500fourと同様にエンジン高を制御するためにカムシャフトの配置がシリンダーヘッド側に埋め込まれる様に設計されたエンジンは、フレームからエンジンを脱却すること無くヘッドを開けメンテナンスが出来る効率の良い構造体となっている。
本来ならば、このCB350fourが若者向け前提となるモデルだった。しかし、唯一の足かせとなったのは車重184kgだった。CB500fourと同じ重量で、48ps/9000rpmに対し14馬力も低い34ps/9500rpmの出力値では満足な動力性能とは言い切れないものだった。
では、CB400fourは、それを越えるに相応しいデーターを稼ぎだすことができたのかと言われると、決して…そうとは言い切れないものであった。実質、+3psのアップと−8.7kgが図られただけで、61ccアップした排気量にしては控えめな数値であったと言わざる終えない。しかし、何故に若者の人気を沸騰させたのかと言うと、その見事な変身を遂げたスタイリングにあった。
CB350fourに装着した4本マフラーに対し6kgの減量を果たした集合マフラーがそのスタイリングの極めとなった。また、目立たない部分ではあるが放熱効果をより高める為にシリンダーフィンを二枚増量したばかりかフィンの深さも8mmから9mmへと変え、冷却面積では40パーセントもの改善も図られていた。
1975年10月には免許改正が行われ、408ccのCB400fourは大型二輪の範疇においやられてしまう。これに対し…1976年にホンダは1.2mmのショートストローク化を図り、排気量を398ccとして中型免許に対応したCB400fourの二段構えでカタログラインアップを果たしている。フラットハンドルとしたF-Iに対しアップハンドルとしたF-IIも用意されるが、翌年の1977年にはCB400はHawk-IIに生まれ変わることとなった。
ホンダは、生産効率の見直しを図り、4気筒に見切りを付けることを決定してしまった。それは、大方のユーザーの期待を裏切ることとなり、終焉を迎えてしまったCB400fourにはプレミア付きの中古車価格を提供する事態となってしまった。中古車業者のなかにあっては、CB350fourに400fourのタンクやサイドカバー、マフラーやハンドル周りを移植して400four化して堂々と店舗に並べるものもあった。
35年を経た現在でも、そのスタイリングは特別な輝きを持って現代の若者にも受け入れられている。決して懐古主義ではなく新鮮な趣をもってである。
ホンダドリームCB400four 1974y.12
エンジン:空冷 4サイクル・DOHC 4気筒 排気量:398cc ボア&ストローク:51×48.8mm 圧縮比:9.4 最高出力:36ps/8,500rpm 最大トルク:3.1kg-m/7,500rpm 点火方式:バッテリー 始動方式:セル、キック クラッチ:湿多 ミッション: 6速(1:2.733 2:1.800 3:1.370 4:1.111 5:0.965 6:0.866 ) 全長:2,050 全幅:705 全高:1,040 軸距:1,355 地上高:130mm 車両重量:183kg タンク容量:14L タイヤ:F・3.00−18R・3.50-18 登坂力:20° 燃費:39km/L 価格:32万 7千円
ホンダドリームCB400four 1976y.03
エンジン:空冷 4サイクル・DOHC 4気筒 排気量:408cc ボア&ストローク:51×50.0mm 圧縮比:9.4 最高出力:37ps/8,500rpm 最大トルク:3.20kg-m/7,500rpm 点火方式:バッテリー 始動方式:セル、キック クラッチ:湿多 ミッション: 6速(1:2.733 2:1.800 3:1.375 4:1.111 5:0.965 6:0.866 ) 全長:2,050 全幅:705 全高:1,040 軸距:1,355 地上高:150mm 車両重量:183kg タンク容量:14L タイヤ:F・3.00−18R・3.50-18最高速度:170km/h 価格:32万 7千円
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