CBR250R 1988
当時の2500ccクラスにあって、NSR250R に代表される2 サイクル勢の人気は異常な程でもあった。まるでレーサーそのものとも思えるフォルム。瞬時に最高出力を稼ぎ出すパンチ力は興奮と共にユーザーを魅了していた。これに同調するかの如く、4 サイクル勢もレプリカ然としたフォルムを強めていく結果となる。当初は、やや趣を異なったものとしていたCBR250FOUR(1986y) に代わりデビューしたCBR250R(1987y)もレプリカ路線とは一線を期していたものの、この年からは歴然としたレプリカモデルへと変身していた。
フロントディスクをデュアル→シングルとし、310mm の大径ローターに4 ポットのキャリパーで対応させている。レッドゾーンをCBR250fourから1000rpm 競り上げたCBR250R の前出モデルからのパワーユニットを共用しながらも、ヘッド回りとミッションに小変更を与え、駆動ロスの低減と耐磨耗性の向上を果たしている。
フレームも旧型の構造を継承しながらもメインパイプをワークス譲りの5 角断面とし、スイングアームにも剛性を高めてボックスの容量を拡大している。特に、シート高720mm と30mmもスライドダウンさせたことによるポジションの効果は、販売面で女性ユーザーの獲得にも効力を発揮。2 サイクル車並の軽量な車体も人気の理由だった。
他社のライバルモデルとの比較で特徴となるのは、そのスムーズな出力特性。アクセルのオン・オフにもギクシャクとした感じもなく、レッドゾーンまで軽々と回ってしまう。但し、18000rpmまでパワーが持続すると言うものではなく、16000rpmを境にフラットに落ちついて伸びは止まる。最新のモデルにも引けをとらない動力性能と、市街地でも柔軟な対応を見せるサスペンションで未だに人気は高い。
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