HONDA CBR400RR 1990
デビューから約2 年を経過してフルモデルチェンジが図られた。これまでのCBR 対FZRの図式に、スズキGSX-R400R SPやカワサキZXR400R が加わり、激戦の様相を強めていく400cc クラスにあって、CBR400RRも急遽ニューモデルの登用となった。この年は、FZR400RRにもSP仕様が登場しているだけに、CBR も大幅な変更を図っている。
パワーユニットは、従来型にピストンの軽量化やPGM イグニッション、ニュータイプのCVキャブ等を与え、出力面でも従来型を上回る特性を稼ぎ出している。特に、レスポンスの俊敏さと中低速域でのトルクの発生の特性は目を見張らせる。
しかし、何よりも注目されたのは、その異彩を放つフォルムであり、LCG ツインチューブと呼ぶ新設計のハイブリットフレームに、キャステック・ガル&トライアームが、新鮮さとインパクトのある走りを予感させるものであった。
従来のスマートな印象から、ダイレクトに走りを追求して、ショートホイルベース化を図り、全体的にもコンパクトな設計を施している。重力的にもライバル車に較べ10kg前後軽量。更にマスの集中化を図る等、徹底した対策が与えられている。
実際の走りに関してだが、旋回性そのものが向上していると感じるユーザーは少ないと思う。それは、元々CBR が低速コーナーの連続する様なシチュエーションよりは、高速コーナーを特異とする設定にあるからだ。寧ろ、NC30の出力特性と車体構成の方が、切り返しには軽快感を感じるものがある。
CBR において'89 年型と異なるのは、サスペンションのセッティング。フロント、リア共にNC30に近い印象を受ける。低速コーナーにおいて、'89 モデルよりは'90 年モデルの方が、切れ込む印象が薄い。フロントタイヤの接地感が増し、リアの踏ん張りが効いている様にも思えるはずだ。
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