KAWASAKI Z250FT/KL250 1978

KAWASAKI Z250FT 1978

 '78 年、ショ−モデルとして注目を浴びた、カワサキ初の本格的な4サイクル250cc のロ−ドスポ−ツモデル。'79 年 2月に正式に発売。FX系の直線的なフォルムが採用され、2サイクルに迫る4サイクル最強の出力で、一躍人気モデルとなった。ライバルのホンダCB250T(HAWK/ 3バルブSOHC) は26ps/10000rpm 、2サイクル勢の最強ヤマハRD250 で30ps/7500rpmと言う時代だったから、どれほどの実力だったかが窺い知れる。ましてや車両重量にあってもRD250 の152kg に僅か1kg 増しの軽量モデルでもあった。装備に至っても、アルミキャストホイ−ル、6速ミッション、セルスタ−タ−・・と上級車並の豪華さが与えられていたから、ライバルメ−カ−も顔色をなくしたに違いない。'80 年には、ヤマハRZ250 、ホンダCB250RS 、スズキGSX250E ・・と相次いで強力なモデルをデビュ−させる。が、'79 年を圧巻したのは言うまでもない。1 →4速までは、タコメ−タ−のフルスケ−ル12000rpmを軽々とクリア−。操縦性は決して軽々しくはないが、落ち着いた粘りと安定感がハンドリングに与えられている。メタルパッドの前後ディスクも絶妙と言えるバランスを持っていた。


KAWASAKI KL250 1978

 カワサキ初の4サイクルトレ−ルモデル。この頃は未だ、トレ−ル車と言っても2サイクルが主流で、4サイクルはホンダXL250Sが唯一気を吐いていた時代だった。Z200のパワ−ユニットをベ−スに、ボアを4mm 、ストロ−クを6mm アップ。バランサ−さえ持たないシンプルな機構のままだった。リアにド・カルボン式ショックユニットを有し、スタイルやポジションは攻撃的なモトクロッサ−並の印象を受けた。出力特性はトルク重視の設定から、低回転域からも粘る軽快な吹け上がりが特徴的だった。デコンプもバランサ−も持たず、振動に至っては尻がムズ痒くなる程の印象も、今となっては懐かしい。が、ダ−トでは思いのほか快適。SUタイプのキャブレタ−も、ラフな扱いにも息付きすることなく、ラフロ−ドを攻めるには楽しいモデルだ。どちらかと言えば、ツ−リングモデル的な設定を受けた4サイクルトレ−ルの現状にあっても、不器用なまでにも真剣にトレ−ルの神髄を与えようとしたカワサキの意欲が素直に受けて取れるモデルだった。


風倶楽部

バイク全般のヒストリーが中心となります。バイク好きの人たちが気軽に閲覧できるようにオープンな状態を保っていきたいと願っています。アメブロに掲載してきた記事が多くはなりますが、補足を加えていきます。

0コメント

  • 1000 / 1000