KAWASAKI KH400 A5 /1978
ブレーキのマスターシリンダーとシートが変更された1977年12月発表のモデル。マッハのイメージを持ってライディングすると全く異なることで驚きを覚える。期待すれば裏切られると表現せざるを得ないが、KHを従来のSSのイメージで追いかけなければ良い。ライバルモデルとの比較でも決して引けをとるようなこともない。極自然な感覚でライディングさえすれば思いどおりの操縦感と安定性を示してくれる。ポジションの良好さも、市街地からワインディングまでオールラウンドで違和感のないものだ。少々気になるのはサスペンションのスプリングで、動きやショックの吸収性が好ましくない。荒れた路面でのリアの流れ出しは早い。これは、意識して起こさせれば・・という程度のものでなく、立て直しにもサスの動きがままならない。プライマリーキックは依然として採用の気配すらない。
KAWASAKI KH400 A6.1979/A7.1980
1978年10月発表の79年型もメカニズムには変更はなかった。Z400 FXのデビューで賑わう市場の中で、ライバルモデルとしての存在感さえも失われかねない状況となっていた。新たな80年代を真近にして、移り変わる手段へのステップが踏み出せないでいた。 そして1979年11月、最後のモデルがライムグリーンのカラーに鮮やかなグラフィックを採用してリリースされた。10年の歳月は長くはあってもトリプルシリンダーのメカニズムに大きな変革を用いることはなかった。世界GPを圧巻していたKR250/350 レーサーに次世代への可能性を託して、1980年2 月26日生産ラインからトリプルシリンダーは消えた。最終モデルへの意を示し「KH」のロゴを配し、どこか誇らしげで美しくも見えた。タンクやシ−トカウルをニュ−グラフィックに変更。クランクケ−スカバ−のロゴは、KAWASAKI→Kawasakiに変更されている。
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