KAWASAKI Z400FX-E1 1979
言わずと知れた“フェックス”。国内販売を1979y.4 とした一足先に、海外向けにZ500をデビュ−させ、国内市場に煽りを添えていた。'76 年モデルを最期に400cc クラス唯一のマルチとして人気を馳せたCB400four の撤退から久しく、最新の機構を搭載した400 マルチのデビ−は、多くの話題を提供して空前のヒット作となった。クラス初のDOHC4気筒を搭載、その軽快なパフォ−マンスと共に、カワサキ特有の重厚な車体作りが受けていた。この頃のカワサキは、2サイクルを見放したかの様に4サイクルモデルに邁進していた。ヨ−ロッパ市場において、確固たる地位を築いたのもこの時期だった。“マッハ”の印象を強烈なインパクトとして残し、ハイパフォ−マンスのカワサキ・イメ−ジを、既に決定付けていたものの、ホンダに代表される世界的な視野に立ってのモデル作りには、未だ十分とは言えない面もあった。世界のトップを目指したホンダをライバルに、カワサキの心意気を感じさせてくれたモデル。
KAWASAKI Z400FX-E2 1979
デビュ−から僅か2か月後にグラフィックを変更。'79 年 6月10日発売時点では、ニュ−エボニ−とレッドの2タイプだけとなって、シルバ−に関しては、当分の間生産を見合わせることとなった。デビュ−当時、エボニ−とクリスタルシルバ−にあった不均等幅の3本ストライプを配したモデル(E1)は、既に無く、ファイアクラッカ−レッドも、発売当時のままの単色で生産ラインを流れ、'79 年12月になって漸くニュ−エボニ−と同じく、タンクに縁取りのラインを施されている。メカニカルな魅力に引かれ、多くの若者の支持を受けたFXを、今の若者たちはどう捉えているのだろうか。現在のス−パ−スポ−ツモデルに較べれば、250cc クラスに該当する出力値に、有らぬ憧れを抱いてスポ−ツ性を追求しいるとすれば、Z400FXの本質を見失ってしまう。Z400FXには、確かに当時とすれば他を圧倒するスペックデ−タ−も備えられていた。しかし、必要以上のハイパフォ−マンスを追求するのでは無く“グランツ−リスモ”と言ったハイスピ−ドツアラ−を目指して追求されたモデルである事を忘れてはならない。現在にも通用する基本骨格や構造が、しっかりと踏まえられて、完成度の高いモデルだった。
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