KAWASAKIKMX125/200 1987
カワサキが70年代を皮切りにTRシリーズをラインナップしオフロードを圧巻するも、ライバルメーカーとの熾烈な競合で、次第にその勢力を弱めていった。1973年のオイルショックによる市場のダメージも 2サイクルには大いに影響した。また、 4サイクルトレール台頭も、これに追い打ちをかけた。カワサキも時流に逆らうことなく、量産モデルとしてKL250(1977y 〜) のみをカタログラインナップするという、1983年の寂しい頃もあった。'80 年代に入ると、景気の上昇とともにオンロードのスポーツモデルにレーサーレプリカが登場。スタイリングの鮮烈な印象にひきつけられるように、一躍ブームとなって市場に活性化をもたらした。オフロードもこれにならうように、モトクロッサーに匹敵する高性能モデルを生み出すようになる。カワサキとて、これに沈黙を押し通すことは出来なかった。かつての「赤タンク(B8M/1965y )」による栄光を担ったカワサキファクトリーや市販モトクロッサーKXの高性能を活かせる時が来たのだ。KMX125 は1986年 2月に、続く翌年1987年 4月にKMX200と立て続けに発表されたオフ車のニューカマーは、まさしくKXレプリカと呼ぶに相応しい高性能モデルだった。パワーユニットは、副排気ポートを持ったKIPS(カワサキ・インテグレーテッド・パワーバルブシステム)を装備。エンジン回転数に連動した副排気ポートのバルブを自動開閉させて、回転数に最も適した排気ポートを確保。どの回転域か
らでも強力でフレキシブルな出力特性を発生させている。フレームはダブルクレードル。スイングアームピボットとエンジンマウントを共通とする専用設計でホイルベースを短縮。耐久性に富んだシャープな運動性能を生み出している。125/250 共にクラスにあって初の前後ディスクブレーキを採用。デビューと同時に一躍トップレベルの性能を誇示し、人気モデルにもなった。1990年、倒立サスを装備したKDX125 SR/200 SRにバトンタッチしてからも、引き続き'91 カタログにもラインナップを果たしていた。特に大きな変更はないが、写真の'88 モデル以降には装備に若干の変更もあり、充実した内容となっている。125 には樹脂製のナックルガード。200には、ラジエターの大型化、足回りの強化、アルミ鍛造のブレーキペダル/チェンジペダル/キックが装備。各種ガード類の充実も図られている。
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