KAWASAKI GPX250R/Eliminator250 1987

KAWASAKIGPX250R1987

 GPZ250 R(1985y.12)に代わりラインナップを果たした高性能ツインのパワーユニットを継承したモデル。カワサキにとってインラインフォアを生産することはたやすいことでもあった。が、250cc クラスにあって、敢えて高回転のインラインフォアの必要はないというのが判断だった。パワーユニットは、GPZ250 RをベースにDCIS(デジタル・コントロールド・イグニッション・システム)を採用。点火時期制御の方法を従来のアナログ式からデジタル式に変更し、進角特性の最適化を更に高精度のものとしている。吸入効率の向上は、HITEC(ハイベロシティ・インダクション・テクノロジー)により、エアクリーナーからキャブレター・シリンダーヘッドに到る吸気通路の形状を最適化。レスポンス性能をかなり向上させている。更に、クランクシャフトのピンやメインジャーナル径を縮小、軽量化したコンロッド等の採用で、メカロスの低減化も果たしている。圧縮比の向上は12.0→12.4。最高出力は43ps/13,000rpm→45ps/13,000rpm。最大トルクは2. 4kg-m/11,000rpm →2.5kg-m/11,000rpm と僅かな数値の変更だが、実際には体感上で明らかな違いを感じるほどだ。フレームはダイヤモンドタイプと従来形式を継承。細部での変更もあり、剛性感は向上している。サスペンションやブレーキの機能も高まり、インラインフォアのライバルモデルに匹敵する能力も与えられている。ホイルベース(1400mm)、キャスター(27 °) 、トレール(83mm)はそのままの設定でGPZ−RからGPX−Rに引き継がれており、カワサキの実に巧みな技も伺える。フロントのブレーキは、ディスクを左側から右に移動し、キャリパーをシングルからGPX750 Rにも採用されたBAC(バランスド・アクチュエーション・キャリパー)の異径デュアルピストンに変更。ホイールの変更にも伴いリアをワイドリム化。120/80-16 →130/80-16 のワイドタイヤの設定で、通常レベルの走行時でも安定感の向上が伺えるほどだ。レプリカモデルとは一線を期しても、決して動力性能に劣ることはなく、寧ろ実用レベルのパフォーマンスに圧倒的な有利をもたらしたあたり、カワサキの狙いは確かだったようだ。キャブレターに関してはGPZ−Rのφ32mmからφ30mmと口径を縮小。ここでレスポンス性を向上させながら、出力アップも図っているあたり、流石と思わせてくれる。160km/h を維持した高速巡行にも根を上げないツインのユニットは、燃費でも他を圧倒する高レベル。外観はオーソドックスではあるが、却って長く付き合える一台という好印象も受ける。


KAWASAKIEliminator250 1987

 GPX−Rと共通のパワーユニットを中・低速向きに特性をアレンジして搭載したエキサイティングモデル。GPX−R同様、高回転域で吸・排気系の追従を高める 1バルブ 1ロッカーアームのIRS(インディビデュアル・ロッカーアーム・システム)に、 1軸バランサーを組み込んで低振動化を図ったパワーユニットは、高速巡行にも威力を発揮。250cc というキャパシティーを越えて楽しめるモデルだ。リアタイヤを140/90-15 という極太に、ホイルベースを「400 エリミ(1550mm)」に迫る1490mmに設定。外観や量感はシリーズ共通のダイナミックなものに仕上げている。目の前に配置された大型のスピードメーターや各種のインジケーターランプは視認性も良く、前方から視線を移すことなく確認出来るので安心感も高い。翌年1988年にはビキニカウルを装備した250 SE。更にデビューから 2年後の1989年には、ワイヤースポークのLXも加わり全 3機種がラインナップ。プッシュキャンセルのウインカーや 1ℓの増量となったフューエルタンクが与えられている。また、1989年 2月発売の250 SEに

はリアに専用のリザーバータンク付きのショックアブソーバーが装着。現在はSE/LXの 2タイプとなる。

風倶楽部

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