KAWASAKI ZEPHYR1100/ZEPHYR750/ZEPHYR 1993

ZEPHYR1100 1993

 空冷最大の排気量を重厚感と共に最新の機構で組み上げたモンスターネイキッドである。この当時カワサキでは、スーパースポーツにZXRシリーズをフルラインナップさせており、ZEPHYRにはノスタルジックな趣を与えてはいたが、走りに関しては妥協することなく意外な程拘りを見せていた。アジャスト可能なサスペンションやコントローラブルで勝つ強力なストッピングパワーを持つ不当ピッチ多孔式ディスクブレーキ、目の字断面形状のスイングアーム等、オーソドックスなデザインからは意外とも思えるハイスペックの機構を与えていた。大型車らしい風格に似合わない…走りでは軽快な手応えを感じさせてくれる一台である。

ZEPHYR750 1993

 メカニズムの進化からは逆行することとはなるが、バイクの持つ本来の形態を愛でるユーザーも決して少なくはない。目に映る進化は確かに刺激的なものではあるが、内面的な部分での進化を体感で味わうこともバイク乗りの愉しみ方の一面に有るのではないだろうか?アンチテーゼ…という解りにくい論理学上の修辞学用語の一語では語り尽くせない沢山の言葉でバイクを語り合うこと。その要素が無ければバイクは、好き者たちの話題にはならないものとなってしまう。ゼファーには、Zの誕生からの永きに渡るヒストリーがある。今は無き空冷のモンスターに思いを寄せるファンが数知れず存在することをメーカーは忘れてしまってはならない。

ZRPHYR 1993

 この年、ゼファーにも忘れてはならない変更点がある。先ずは、リアブレーキのキャリパーがシングルピストンに改められている。これは、コストダウンと言うことではなく、タッチをコントローラブルにする目的での変更である。また、フロントサスのセッティング変更やハザードランプの復活など、乗り手の身に沿った改善が図られていることも見逃せない。特にアナウンスが成されてはいなかったが、エンジンの信頼性向上に向けて、マイナートラブルの発生率も減少していることも付け加えておきたい。

風倶楽部

バイク全般のヒストリーが中心となります。バイク好きの人たちが気軽に閲覧できるようにオープンな状態を保っていきたいと願っています。アメブロに掲載してきた記事が多くはなりますが、補足を加えていきます。

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